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2019.04.29読み物
住み替え前に抑えておくべきポイントとは?
住み替え前に抑えておくべきポイントとは?
結婚、出産、転勤、定年退職…ライフスタイルの変化に伴って、住み替えを検討している人は少なくありません。
間取りの変更、バリアフリー、欠陥改修などは建て替えやリフォームによって解決できる場合が多いですが、
大幅な宅地面積の変更、住環境の変更については住み替えによってしか解決できません。
今回は住み替えを検討するうえで抑えておくべきポイントをまとめていきます。
住み替えを検討する理由
出典:平成25年住生活総合調査(速報集計)結果
上記のグラフは、国土交通省による「平成25年住生活総合調査(速報集計)結果」から引用したものです。
「住み替えの目的」を訊ねたアンケートで、
回答者は「今後5年以内に住み替え意向を持つ世帯」と「最近5年間に住み替えた世帯」です。
「高齢期の住みやすさの向上」「間取り、収納、設備の使いやすさの向上」など、
ライフスタイルの変化に伴うものが多いことがわかります。
生活の変化に伴って住宅に対する要求も変化するため、その解決策として住み替えが選ばれています。
住み替えの流れと注意点
住み替えはどのような流れで行われるのでしょうか。
流れを確認しながら、各ステップでの注意点も把握しておきましょう。
①全体プラン計画
買い替え理由を明確にし、預貯金、住宅ローンの残高を確認しておきます。
借入明細書の確認または金融機関に直接問い合わせをして正確な残高を把握することができます。
住宅ローンについて知りたい!
残債がない場合|一般的な住宅ローン
先述したとおり、最も一般的な住み替えパターンは、「
売却益でローンを一括返済して残債がない状態にして住み替える」というものです
残債がある場合|二重ローン・住み替えローン
残債がある場合は、二重ローンか住み替えローンを組むことになります。
・二重ローン(ダブルローン)とは
現在住んでいる家と新しく購入する家のローンを同時に組み、同時に返済していくローンですが、
「2つのローンの合計額が審査対象となるため、審査が通りにくい」
「毎月の返済額が二重になるため、返済金額が高くなる」という注意点があります。
・住み替えローン(買い替えローン)
住み替えローンは、残債と新居の購入金額を合算して組むローンです。
新居の担保価値の1.5倍~2倍までの融資が可能であり、前の住宅の残債も解消できますが、
「借入額が担保価値より上になるので、審査が通りにくい」
「万が一返済できなくなったときに、住宅を売っただけでは対処できない可能性がある」
という注意点があります。
住み替えローンでは、新しい家の価値以上の金額を借りることになります。
そのため、審査が厳しい上に、万が一返済できなくなったとしても住宅を売却するだけでは完済できない可能性があります。
②査定依頼
売る物件の査定を依頼し、どのくらいの物件に買い替えができそうか確認しておきましょう。
査定は数社に頼み、相場を把握することも重要です。
③自宅売却と住居購入のタイミングを決める
※売り先行の場合
現在住んでいる家の売却を進めたうえで、住み替え先の家を購入する方法で依頼仲介業者の検討・選択をします。
※買い先行の場合
住み替え先の家を先に購入し、その後で現在住んでいる家の売却を進める方法で住み替え先の購入契約を結びます。
売り先行か買い先行かどちらがいいのかは一概には言えません。ご自身の状況によって変わります。
売り先行か買い先行かどちらが良いのか?
売り先行 買い先行
メリット
■資金計画が立てやすい
■売却を急ぐ必要がなく、高く売却できる可能性がある
■賃貸物件の準備が必要ない
デメリット ■売却と購入のタイミングがずれると、一時的な賃貸物件を準備しなければならない
■今住んでいる物件の売却が遅れると二重ローンになる可能性がある
■資金繰りが大変
可能なら売り買いは同じタイミングで!
上記で見てきたように、多くの場合、住み替え資金は現在の物件の売却益を元手に支払うことが多いので、 売却と購入をほぼ同じタイミングにすることがベストです。
売却が遅れた場合は、二重ローンに、また売却が早すぎた場合は、一時的に賃貸住宅を借りなければならなくなったりと、
タイミングがずれることによっての不具合が生じる場合があるからです。
④媒介契約
仲介業者との契約をしましょう。
⑤売り出し
価格を設定し、インターネット広告やチラシなどで広告・宣伝してもらいます。 購入希望者から見学を依頼されるようになります。
⑥売却条件の交渉
仲介業者を通じて、住居購入希望者と価格や引き渡し時期などを調整します。
⑦売却の媒介契約
売却する物件の最終チェックと設備等の作成をします。
⑧代金決済と引き渡し
売却代金を受け取り、物件を引き渡します。
知っておきたい減税情報
「住み替え」について考えるとき、「減税措置」を忘れてはなりません。 不動産の売買には高額な税金が課されますが、
「減税措置」を利用すれば、出費を抑えて賢く住み替えることができます。
とくに下記3つの減税は覚えておきましょう。
1. 譲渡所得の特別控除
2. 譲渡損失の損益通算及び繰越控除
3. 住宅ローン減税
1.譲渡所得の特別控除
住んでいた家が買った価格よりも高く売れて利益が出た場合、その利益に対して所得税と住民税が課税されますが、 住んでいた家を売った場合に限り、
税額を軽減できる特例があります。 代表的なものとして、「居住用財産の3,000万円特別控除」や「居住用財産の買い換え特例」などがあります。
所得額や損失額などによって異なりますが、税額がゼロになることもあります。
2. 譲渡損失の損益通算及び繰越控除
逆に、買った価格より安く売れてしまい損失が出た場合は、譲渡所得税と住民税が他所得と損益通算できるようになります。
所得額や損失額などによって異なりますが、税額がゼロになることもあります。
3.住宅ローン減税
住宅ローン減税とは、年末ローン残高4,000万円を上限として、ローン残高の1%が10年間所得税や住民税から控除されるものです。 最大400万円の節税が可能になります。
例えば、ローン残高が2,000万円であれば、年に20万円控除されるということです。
※認定長期優良住宅、または認定低炭素住宅の場合は、ローン残高上限が5,000万円になります。
ただし、先に紹介した「譲渡所得の特別控除」「譲渡損失の損益通算及び繰越控除」と併用することができないので注意が必要です。
インスペクションを受けて安心・安全な物件の売り買いを!
インスペクションとは住宅診断のことを言います。
―売るときのインスペクション
販売情報や、ちょっと内覧で見ただけではどれが良い物件なのか見分けがつかない、と悩む買い手が多いということもあり、
インスペクション(住宅診断)を受け、一定の品質が認められた物件には、良質な中古物件であることを証明するロゴマークを販売情報に付ける
「安心R住宅」という制度が、2018年4月から始まりました。
売る側にとっては安心R住宅と認められることで、選ばれやすい物件になるといえます。
―買うときのインスペクション
気になる物件があっても、物件に不安がある場合は、契約前に内覧や物件のインスペクション(物件診断)を行いましょう。
建築家などの専門家が劣化や欠陥の有無、耐震や改修にかかる費用の概算も診断してくれます。
購入を判断する上で重要な情報を得られるため利用する人は増えています。
―インスペクションはどこで頼めるの?
建築事務所で依頼することができます。 高い専門知識を持った建築家が、中立的な立場で診断を行うことで、 安心安全な住宅診断が実現できます。
ぜひ、お気軽にお問い合わせください。
おわりに
住み替えの際の流れとチェックするポイントを簡単におさらいしました。
また、物件の売り買いの際に、インスペクション(住宅診断)をぜひご活用ください。