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2018.10.12読み物

木造住宅の耐用年数は?耐震補強やインスペクションの必要性について

木造住宅の耐用年数は?耐震補強やインスペクションの必要性について

木造住宅を購入予定の方や、すでに木造住宅に住んでいる方で、「木造住宅は耐用年数が短いから、将来建て替えが必要になる」「木造住宅は耐震性が低い」といった噂を耳にして、不安を覚えた経験はないでしょうか。



木造住宅でも、耐震診断やインスペクションといった適切なメンテナンスの実施によって、鉄骨造や鉄筋コンクリート造に劣らない耐用年数や耐震性を持たせることも不可能ではありません。





木造住宅の耐用年数はメンテナンスで延びる

木造住宅の平均的な耐用年数は約25~30年と言われますが、100年長持ちしている木造の古民家や仏閣も現存します。



つまり、建て方や手入れの方法を誤らなければ、木造住宅は鉄骨や鉄筋コンクリートといった他の構造材に引けを取らないほど長持ちさせることが可能です。

住宅の耐久性は「素材」ではなく「建て方」で決まる

住宅の耐久性は、木材や金属、コンクリートといった素材の違いではなく、「建て方」で決まります。

耐久性が高い木造住宅を建てる方法

木造住宅の建て方には主に

「軸組工法」
「ツーバイフォー工法」
の2種類があります。



このうち「ツーバイフォー工法」は、大きな壁で建物を形作る建て方です。大きな壁で建物が囲まれているため、壁の強度が高く水平方向の負荷に強いことから、地震に強い工法としても注目されました。

一方、柱や梁を組み上げて建物を形作る「軸組工法」は、柱と梁だけでは壁の強度が不十分です。そのため、現在行われている軸組工法では、柱と梁の中に木材をクロス状にして「筋交い」を入れて壁面の強度が補強されています。従って、軸組でもツーバイフォーでも耐久性に大きな差はありません。



壁や基礎、地盤などの強度を確保し、建物全体のバランスを守って正しく施工している限り、木造住宅は高い耐久性を発揮することが可能です。

木造住宅は耐震性能で有利な点が多い

木材は鉄やコンクリートよりも軽くしなやかな素材ですので、地震の揺れを逃しやすいというメリットを持っています。

コンクリートなどの硬く重い素材は、地震の衝撃をそのまま受けて強く揺れてしまうことがありますが、木材であればしなやかに揺れを逃がして衝撃を緩和させることができます。



ただし、筋交いの取り付けや接続金物の固定などを怠れば素材の強みを活かせませんので、建物の強度は素材よりもやはり建て方に委ねられます。

木造住宅でも長持ちさせることは十分可能

木造住宅の耐久性を維持して耐用年数を延ばすためには、何と言っても住んだ後のメンテナンスが欠かせません。



木造住宅の新築時や中古住宅購入時は、インスペクションを実施して建物の弱い部分を調べてもらい、住んだ後のリフォームまで計画しておきましょう。



木造住宅で実施しておきたいメンテナンス

以下からは、木造住宅で長く住み続けるために欠かせない、具体的なメンテナンスの方法をご紹介します。

外装のリフォーム

建物の「防水性」が低下すると、住まいを大きく劣化させてしまいます。

屋根や外壁といった、住まいの防水性を司る外装のメンテナンスを長期間怠ると、建物の防水性が低下して雨水が建物の内部に入り込むようになり、柱や梁といった構造材や断熱材などが腐食してしまいます。

さらに木造住宅では、防水性の低下により、湿気を好むシロアリを呼び寄せてしまいます。



外装リフォームで行うべき作業内容

外装のリフォームでは、外壁や屋根の表面を塗装で保護するだけでなく、外壁材の継ぎ目にあるシーリングを補修して外壁内部への水漏れを防ぐ作業も大切です。

また、ベランダや軒天などの外壁の接触面についても、雨水が入り込む隙間が生じていないか点検し、必要に応じてベランダ床の防水工事も済ませておきましょう。



一度塗り替えを行えば、施工した店が定期的にアフター点検を実施してくれますので、リフォームの時期になれば業者から点検の連絡が届くようになります。

塗替えが必要ない外装材もメンテナンスは必要

日本瓦やタイル材などの外装材は、表面の塗り替えが必要ないため外装リフォームは必要ないと誤解されてしまいがちです。

塗装リフォームが必要な外装材でも、継ぎ目や外壁下地の防水性が低下していないか、10~15年に1度はチェックした方が良いでしょう。

ホームインスペクション

ホームインスペクションとは、専門のインスペクターに外装や構造材、設備系統などに不具合がないか点検をしてもらうことで、住宅検査または住宅診断とも呼ばれます。



家の周りや室内を見るだけでなく、屋根裏や床下に調査員が入って、不具合や劣化が起きていないか器具を使ってチェックしてくれます。



インスペクションは調査範囲に応じて約5~15万円の費用が発生します。しかし、メンテナンスを怠って劣化が広がり数百万円のリフォーム費用が発生した時に比べれば、インスペクションの費用は決して無駄ではありません。

木造耐震診断

耐震診断とは、住宅の耐震リフォームの必要性や、行うべき耐震補強工事の種類などを調べる作業のことです。



外装や内装を定期的にリフォームして長持ちさせていても、建物に耐震性が備わっていなければ意味がありません。

また、耐震リフォームは手あたり次第に実施しても効果がないため、自治体などが紹介している信頼できる業者に耐震診断を依頼し、確実な耐震計画を考えてもらいましょう。



なお、1981年6月以前に建てられて耐震基準が古い木造住宅は、各自治体が耐震診断を推奨しており、耐震診断や耐震リフォーム費用の助成制度なども用意されています。

木造住宅の耐震リフォームを検討中であれば、お住まいの自治体で耐震助成が行われていないか調べてみると良いでしょう。



木造住宅を長持ちさせるポイント

木造住宅を長持ちさせるためには、劣化が始まった箇所のメンテナンスや、リフォーム前のインスペクションや耐震診断が欠かせません。



しかし、耐用年数を延ばすために行うメンテナンスやインスペクションは、適切なタイミングで行うことがより重要な意味を持ちます。

木造住宅は早めのメンテナンスやインスペクションの実施

住宅のメンテナンスやインスペクションは、劣化が起きてからではなく、起きる前に実施することが肝心です。

住宅の劣化は進行するほど補修費用がかさみます。例えば、外壁の一部分で塗装の剥がれが起きていた場合、その場ですぐに補修を依頼していれば、数十万円程度の部分的な補修や塗替えで済むでしょう。

しかし、何年も剥がれを放置してしまうと、剥がれが建物全体に拡がってしまい、外壁全体の広範囲な塗替えが必要になってしまうかもしれません。外壁全体の塗替えは、足場設置代も含めると、百万円近い費用が必要です。



専門家にしかわからない劣化の兆候をインスペクションなどで早めに見つけ、被害が小規模なうちに補修しておきましょう。



おわりに

「耐用年数が短い」「耐震性が低い」と思われてしまいがちな木造住宅も、早めのメンテナンスや住宅購入時のインスペクションで劣化を未然に防げば、長持ちさせることは十分可能です。

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