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2017.09.19読み物

快適な住宅のための間取

快適な住宅のための間取

快適な住宅を設計するために、さまざまな項目に注意して間取りを決定しなければなりません。今回は間取りを考える上で、最低限注意しておきたい7つのポイントをご紹介します。

①動線計画
日常生活をイメージして、どう動いて生活するか、つまり動線を考えて計画することが必要です。機能的に効率よく動けるようにすることはもちろんですが、家族間でコミュニケーションが取りやすい動線となっているのかという視点も重要です。

②共用ゾーンと専用ゾーン
家族でシェアする共用ゾーンと個人で使用する専用ゾーンがあるという考えを持ちましょう。この2つを考える上で、重要な役割を果たすのが、廊下の配置です。間取りを考える際には、廊下の位置に注意するようにしましょう。例えば、廊下がない間取りにする場合、メリットとしては家族間のコミュニケーションが取りやすい環境になるといえます。一方で、デメリットとして、一人の空間が生まれず、時にはそれがわずらわしく感じてしまう環境にもなってしまいます。廊下を設けることによって、これを明確に分けることができます。

③太陽の高さ
太陽の高さは季節によって異なります。夏と冬では倍近くの差が発生することもあります。最も太陽が低い冬至においても室内の採光が保たれるのか、窓の位置と大きさをあらかじめ考えておく必要があります。

④窓
窓の目的は大きく分けて3つあります。1つ目は視認性です。窓を通して見える景色、得られる解放感などの心理的な効果を考え、大きさと位置、そして形を決定する必要があります。また、家の外観として美しく調和しているかというデザイン要素でもあります。2つ目は採光です。陽当たりの良い部屋にすることで、心理的な快適さに加え、昼間の電気代削減などの機能的効果も果たします。ちなみに、建築基準法において、住宅の居室における窓の大きさは「床面積の1/7以上」と決まっています。また反対に、西日などのことを考えた遮光という意味でも窓の役割は重要と言えます。3つ目は通風です。夏は熱気や湿気を逃がすために、冬は換気のために、風を通すという役割も窓は担っています。基本的には風の通り道を作るには対角線上に窓をつくることが理想と言われています。
周辺環境やその部屋が持つ役割によって窓の目的をどこにおくのかは変わってきます。この3つのうち、どれを優先させるべきかという視点を持つことが必要です。

⑤熱
家の中の断熱、遮熱などの熱についても気を付けなければなりません。壁の中にグラスウールなどの断熱材を入れることにより空気を動かさないようにすることができます。これにより、冬でも部屋から熱を放出しにくくすることができるとともに、外からの冷気も防ぎます。夏に住宅を建てたものの、冬になると思いのほか寒かったなどとならないように、この点も見ておきたいところです。

⑥風
人間が暑い寒いと感じる温度のことを体感温度といいます。これらには、温度と気流の風速が特に影響を与えると言われています。そしてこの2つの調整をするのが風通しです。間取りを考えるときは窓を含めた、建物全体としての「風の道」を考えておくことが必要です。適度に空間を空けておくことも重要なのです。

⑦音
個人によって差があり、トラブルにもなりやすい要素の一つに音があります。音は外から入ってくる音もありますが、自分の家から出す音もあります。音には敏感な人は十分に対策をしておくことが必要です。ちなみに一般の窓にさらに内窓をつけると、近くに道路などがありうるさい所でも、日常生活で望ましいと言われる40dBまで抑えることができます。
今回解説した7つの基本はややソフトな面やコストにあまり左右されない、少しの工夫や配慮で快適な空間が得られるものをあげました。特に熱や風や音など、目に見えない要素については、事前に十分な検討をしておきたいところです。

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